ディズニーの不朽の名作アラジン。2019年6月に実写映画が公開され再び注目を集めていますが、なぜアラジンが不朽の名作と言われているのか、ストーリー面で考察していきたいと思います。
・アラジンのテーマは「自由」
アラジンは1992年に、美女と野獣の次に公開された映画になります。
それまで、ディズニープリンセスが登場する映画と言えば「白人の女性」が「王子様」と「玉の輿」にのるのがストーリーの主軸でした。
しかし、アラジンはこれまでのディズニー映画とは異なりました。確かに恋愛はします、しかし、テーマの根本に「自由」をめぐるそれぞれのキャラクターの想いがあったのです。
・アラジンは貧しき青年
主人公のアラジンは白馬に乗った王子様ではありません。
貧しいがために盗みをして生活する青年です。彼は自分はまるで「捕らわれの身」だと感じており、お金持ちになって王宮に住むことで「自由」を得られると考えていました。
・ジャスミンは気の強いお姫様
ジャスミンは王宮の生活に嫌気がさしていました。愛のない結婚を父である国王に勧められ、彼女もまたカナリアのように、王宮の中に閉じ込められて一生を過ごす自分を「捕らわれの身」と感じていました。
そんなアラジンとジャスミンはお互いの考え方にひかれあい恋に落ちます。(とはいってもアラジンはジャスミンに一目ぼれな部分もありましたが)
違う立場に身を置く二人が、お互いに「自由」を見つけたからこそ惹かれあったのです。
・ジーニーも「捕らわれの身」
そして、映画の裏主人公ともいえるジーニー。彼がいるからこそ、この映画はただの恋愛物語ではなく「自由」についてより深く追求されたストーリーになりました。
ジーニーはダレよりも強大なパワーを持っている魔法使いです。しかし、ランプの精霊としてご主人様に一生つかえなければならず「自由」ではありません。
アラジンに「キミなら何を願う?」と聞かれジーニーは「自由になりたい」といいます。
どんなに力があっても、お金があっても、自由という幸せには叶わない。これこそがこの映画の最大のテーマなのです。
・心揺さぶる友情物語
この映画は、アラジンとジーニーの友情物語が何よりも心にぐっとくるポイントかなと思います。
ジーニーの登場シーンで「Friend like me」という曲が使われていますが、その名の通り、ジーニーとアラジンは「ご主人」と「ランプの精霊」という関係を通り越してかけがえのない「友だち」になる。というメッセージが込められています。
アラジンはもしジャスミンとうまくいったら、3つ目の願いは「ジーニーを自由にさせる」ことに使うと約束します。それにジーニーは大喜び。今までそんなことを言ってくれるご主人様はいなかったのですから。
・恋よりも友情を選ぶアラジン
エンディングで、アラジンは普通の貧しい青年に戻ってしまいます。
そこでジーニーは残りの3つ目の願いでもう一度王子様になればいい!と提案します。するとアラジンはそれを断り「ジーニーを自由にする」と願います。
・「自由」のすばらしさ
アラジンはジャファーとの戦いで、ジャファーをランプの精霊にして倒します。それは、「自由」を奪われることがどんなことよりも人間にとって苦痛だということをジーニーと出会うことで知ったからです。
そして、友達であるジーニーがこのまま自由になれないことをほおっておけなかったのだと思います。
また、身分を偽ってまでジャスミンと一緒にいても自分自身もまた苦しむに違いないと今までの体験から感じたのだと思います。
・誰しもが「ダイヤの原石」
アラジンは貧しいけれど美しい心を持った「ダイヤの原石」と言われていました。
しかし、映画の中で描かれるアラジンは自分の欲望と没頭して時には失敗をする青年で、決して完璧な人間ではありません。
本当の心の美しさは失敗して磨かれていかなければ現れてこないということが言いたいのではないかと思います。
・A WholeNewWorldも自由がテーマの曲
ディズニーの代表的な人気曲、A Whole New Worldもまた「自由」を歌ったうたであり、ストーリーの軸がしっかりしています。
一見恋愛ソングに見えますが、それだけではありません。
お城の中にいるジャスミンをアラジンがつれだし「世界を見せてあげる」と言っている歌なのです。これまでカナリアのように「捕らわれている」と感じていたジャスミンがはじめて自由になり大空を羽ばたく鳥になれた曲なのです。(作中でジャスミンが手を広げて鳥になる動作があります)
歌詞に
Let me share this whole new world with you
とありますが、「2人でこの新しい世界をシェアしよう」という訳になり、自由を分かち合おうねという意味が込められているのではと感じます。
・時を越えて愛される名作
テーマに普遍的なものがあり、どの世代が見ても楽しめるのが名作の必要条件だと思うのですが、アラジンはまさにそういったストーリーに深みを感じさせてくれる作品になります。
また、笑えるシーンが多く、無駄なカットがないのでテンポも非常にいいところが素晴らしいと思います。
実写映画化
ちなみに、2019年6月に実写映画が公開され話題となっていますね。ウィルスミス演じるジーニーが気になりすぎます。
アニメのアラジンは何十回も見たオタクなのですが…実写はまだ観れていません。これから観に行く予定なのでワクワクしています。その感想もまたレポートしたいと思います!
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